みなさんは『サンキューハザード』をご存知ですか?
合流地点や車線変更時に道を譲ってくれた車に対して、お礼としてハザードを点滅させることを指します。
ルーツは諸説ありますが、
ヨーロッパの高速道路で意思疎通として普及。
その後日本のトラック運転手が、「意思表示が困難な後方車両へのお礼」として使われるようになったことが定説です。
内容だけ見ると
サンキューハザード、めっちゃええやん!
と思われますが「サンキューハザード」に関しては賛否両論あり、しばしば論争のテーマに挙がります。
(某知恵袋サイトでもヒートアップしたやり取りを目にしました...)
そこで今回『サンキューハザード』に対するプロの見解を述べさせて頂きます!!
現状
サンキューハザードってどうなんだろ?
と賛否を決めかねている人の参考になればと思います。
サンキューハザード プロの意見
プロドライバーの意見は
サンキューハザードは必要!!
つまりガチガチの肯定派です!
肯定する理由は3つあります
・お礼は大事
・あおり運転抑制
・違法ではない
お礼は大事
人と人との繋がりにおいて、感謝の気持ちを持つことは大切です。
またその気持ちを伝えることで相手も気持ちよくなります。
「ありがとう」を言われて嫌な気持ちになる人はいませんよね。
車社会において感謝の気持ちを伝えること、さらにそれが伝染することで今よりもっと譲り合いの精神が広まることを望んでいます。
私は全国有数の「交通マナーが悪い」地域で育ちました。
車線変更がしたくてウィンカーを出すと、車間距離を詰められて車線変更させてもらえません。
譲ることで感謝されるとしたら、私の地元でも譲ってくれる人が今よりも増えるのではないかと考えています。
そして何よりも、
良くしてくれた人に感謝の気持ちを伝えたい!
その手段として『サンキューハザード』はとても実用的と言えるでしょう。
あおり運転抑制
近年急増するあおり運転。
譲ったのにお礼が無かった
このことが原因になるケースも少なくないようです。
如何なる理由があろうともあおり運転はゼッタイにしてはいけません!!
また被害者にならないための立ち回りを意識することも大切です。
そのために『サンキューハザード』は有効といえます。
逆恨みや勘違いなどで頭に血が上りやすいドライバー(あおり運転予備軍)も『サンキューハザード』があれば
まぁハザード付けたし良いか...
と落ち着きを取り戻すことが多いようです。
このように自己防衛としても『サンキューハザード』の必要性がわかります。
![](https://beaver-66.com/wp-content/uploads/2021/09/EjjT7p4VoAACmxH.jpg)
『サンキューハザード』は違法ではない
某知恵袋やSNSでは
サンキューハザードは違法だ!
という意見を目にしますが、これは誤りです。
以前、警視庁の交通相談窓口に『サンキューハザード』は違法か問い合わせたことがあります。
結果は
・違法性はなく、取り締まることもない
・推奨もしていない
つまり個人の自由とのこと・・・
賛否分かれ論争になるわけですね。
違法でない以上、私は胸を張って「サンキューハザード推奨」を訴えます!
警察車両(非緊急時)に道を譲ることがよくありますが、2回に1回程度『サンキューハザード』をつけてくれます。
所属や管轄によっても異なるのかもしれませんが、警察内部でも特に定めはないようです。
『サンキューハザード』否定派の意見は?
『サンキューハザード』否定派の意見はどのようなものでしょうか。
ネットでよくある声は
・違法
・停車との見分けがつかない
・ハザードを出せば許されると思っている
・手をあげればいい
具体的な内容を見てみましょう。
※違法については先述したので割愛
停車との見分けがつかない
過去の交通事故にこのようなものがありました。
その直後タクシーがハザードを点滅させたため、乗用車の運転手は『サンキューハザード』と認識。
しかし実際には、客を乗せるための停車を知らせるハザードでタクシーは停車。
乗用車がタクシーに追突事故を起こしてしまう。
このような事故例はいくつか存在し、
サンキューハザードは事故を誘発してしまう!
と否定派の意見になっています。
停車か否かはハザードを見つつ、ブレーキランプや減速の具合で判断が可能。
さらに適切な車間距離を保ちつつ譲ることで上記の問題は解決できます。
ハザードを出せば許されると思っている。
ネット上でよく目にする意見にはこんな内容も
強引で危険な割り込みをしても、「ハザードを出せば許される」と思っている。
サンキューハザードを認めると、このような輩が増えるのではないか。
たしかにこの意見には少し共感できます。
私も同様の経験をしたこともありますし、なかには車線変更をする前から
『譲ってもらうことを前提とした、先出しサンキューハザード』をつけてくる人もいます。
「サンキューハザード=何しても許される」と勘違いされると非常に厄介ですね。
この意見にも反論するとしたら…
・強引な割り込みも「感謝(謝罪)の気持ち」があるだけマシ
・強引で危険な割り込みをする輩は、サンキューハザードの有無に関わらず同様の行為を行う
「サンキューハザード=何しても許される」と考えている人は、
サンキューハザード文化が無くとも何かしらの理由を取り繕い、強引な割り込みをするものです。
サンキューハザードが強引な割り込みを誘発しているわけではないため、サンキューハザードを無くしても本質的な解決にはなりません。
手をあげればいい
『サンキューハザード』以外にも感謝の気持ちを伝える手段はあります。
『手をあげる』行為で後続車へお礼が可能です。
これなら停車とお礼の区別もつきやすく、安全性に勝るかもしれません。
が、『手をあげる』行為も万能とまでは言えないのです。
・雨天時および夜間は見えない
・トラックから手をあげても確認困難
雨天時や夜間に手をあげても確認できないことは想像しやすいと思います。
次にトラックが譲ってもらった場合、後続車の視界は下の画像のようになります。
![](https://beaver-66.com/wp-content/uploads/2021/09/image.jpg)
この状況でトラック運転手が手をあげたとしてもわかりませんよね。
冒頭でお話ししたように、トラック運転手から『サンキューハザード』文化が広がった理由が理解できます。
お礼に『手をあげる』行為は、Goodです!
しかし状況によっては無力化してしまうことにも留意しなくてはいけません。
『手をあげる』『サンキューハザード』を臨機応変に使い分けることが出来れば、言うことなしです。
まとめ
『サンキューハザード』に対するプロの見解はいかがでしたか?
賛成意見・反対意見あるかと思います。
法律的にも個人の裁量に任せているわけですから、絶対的な正解・不正解はありません。
ただ一つ言えることは、肯定派も反対派も『この国の交通環境を良くしたい』想いは同じだということです。
そのなかで私は、
感謝の気持ちをしっかり伝えたい
との考えから『サンキューハザード』を肯定しています。
※エゴと言われればそれまでですが…
反対派の人に強要するつもりはまったくありません!
この記事を読んで
サンキューハザードありだな
と感じてくれた人に実践していただければ幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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この記事を書いた人
・運転歴15年以上
・トラック運転手歴8年
・大型トレーラーまで経験
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