トラック運転手をしていると、よくこのような質問をされます。
仕事キツいでしょ?
一般的にトラック運転手=キツい仕事というイメージが定着しています。
あながち間違いではないのですが、ぼくは普段そこまでキツいと感じたことはありません。
長距離ドライバーをしていた頃は家に帰れずキツかったのですが、現在は地場でドライバーをしているので、毎日家に帰れてわりと気楽です。
ただそんな私でもキツいからできれば避けたいと思うこともあります
それはタイトルにもある『手積み・手おろし』と呼ばれる作業。
トラック業界以外ではあまり周知されていないこの作業はかなり過酷でキツい作業内容です。
そんなトラック運転手が嫌がる、手積み・手おろしについて今回ご紹介します。
これからトラック運転手を目指す人は、ぜひ最後までご覧ください!
・手積み・手おろしの作業内容
・手積み・手おろし
企業のメリット・デメリット
・手積み・手おろし
社会的メリット
トラック運転手にとってキツい仕事
手積み・手おろしとは
手積み・手おろしとは、荷物を手作業でトラックに積み上げ、配達先にて手作業で荷物をおろす作業
手積みはどんなに早くても
・中型トラック満載で1時間〜2時間
・大型トラック満載で2時間〜3時間
(長い時には5時間近くかかることも)
かかります。手おろしも同様の所要時間。荷物の形状は主にダンボールですが、場合によっては袋状のモノや一斗缶がくることも。
![](https://beaver-66.com/wp-content/uploads/2021/03/woncheon-yang-0xVw_pCuhc-unsplash-320x180.jpg)
手積み・手おろし どのくらいキツい?
冒頭にもあるように、手積み・手おろしはとにかく過酷でキツい作業です。
どのくらいキツいのか、わかりやすいイメージがこちら!
①画像のダンボール 重さは1kg
![](https://beaver-66.com/wp-content/uploads/2021/04/alex-mecl-44al1GlFVxo-unsplash-1024x768.jpg)
②これを自宅のリビング(16畳)が
ビッシリ埋まるように積み上げる。
③埋まった時が積込み完了です。
④次にリビングから全て外に出して荷降ろし完了
16畳で大型トラック満載に近く、4tトラックだと洋室(8畳)いっぱいくらいの物量になります。
また手積み・手おろしは身体を壊す危険性も!
手積み・手おろしの危険性
夏場などは熱中症の危険あり!1回の作業で2リットルの水分を補給することも珍しくありません!
トラック運転手のほとんどが手積み・手おろしによって腰痛を発症させています。腰が弱い人はコルセットが必需品!
手積み・手おろし 運転手にメリットは無いのか?
ここまでを見ると、手積み・手おろしは運転手にとって過酷でキツい以外の何者でもないように思われるでしょう。
しかしながらメリットもあるんです。それは次の2点。
①給料が割高
②痩せる
ここに関して、少し掘り下げて解説していきます。
給料が割高
繰り返しになりますが手積み・手おろしはとにかくキツい!
当然「やりたくない」と考えるトラック運転手が多数派です。
そのため会社が取る手段はたったひとつ。
手積み・手おろしを行うトラック運転手の給料を割高にする!
多少キツくても
給料が良ければOK!
このタイプの人であれば大きなメリットと言えるでしょう。
痩せる
ぼくの個人的な意見ですが、手積み・手おろしをすると
マジで痩せます!!
夏場は2リットルの水分を補給するほど汗をかくので、当然と言えば当然ですね。
手積み・手おろしをする際の身体の動きはスクワットにも似ています。
![](https://beaver-66.com/wp-content/uploads/2021/04/手積み・手おろし.png)
この動きを多い時で500回〜1000回行うので脚や腕に筋肉がつき、ダイエット効果が見込めます。ストイックな人には向いているのかもしれません。
手積み・手おろし 企業のメリット・デメリット
トラック運転手のキツさに直接関係はないのですが、流通の仕組みとして手積み・手おろしが企業にもたらすメリット・デメリットをご紹介させてください。
ここでの企業とは発送を依頼する企業のことです。
正式な会社名は出せませんが、手積み・手おろしでの輸送が基本となる商品のジャンルが…
・カップ麺 ・お菓子
・ティッシュ ・家具
・油(一斗缶)・お茶漬け
・宅配便 ・大手アパレル衣服 など
これらの商品のほとんどが手積み・手おろしによる輸送になります。
企業側のメリット・デメリット
メリット
運賃に対する輸送量のコストパフォーマンスが圧倒的に良い。手積み・手おろしだと隙間無く積めるため、パレット輸送の2倍以上の物量は運べる!!
![](https://beaver-66.com/wp-content/uploads/2021/04/手積み解説.jpg)
デメリット
近年のドライバー不足により手積み・手おろしだと運送会社が対応できず、運賃が値上がりつつある。
一昔前だと手積み・手おろしだったモノがパレット積み・パレットおろしに変わりつつある事例もあります。
今後ドライバー不足の加速や作業ロボットの導入が進めば手積み・手おろし作業は無くなるかもしれませんね。
手積み・手おろしの社会的メリット
手積み・手おろしの荷物が増えることで社会的メリットが生まれます。
それは消費者が「良質なモノを安く購入できる」ことです!
輸送コストの削減は商品価格に直接影響を及ぼします。手積み・手おろしでトラックに隙間無く積載することで、1個あたりの輸送単価を抑えることが可能。
そして輸送単価を抑えた分低価格で商品の提供を行うことがでます!
あるカップ麺メーカーは、10tトラックの内寸に合わせて商品の箱を規格化することで、積み上がり時点で1cmの隙間もないように計算するほど、輸送費の削減に取り組んでいる。
社会貢献できていることは素晴らしいことと頭ではわかりつつもトラック運転手の身体は正直に疲労が蓄積していきます。
まとめ
最後に今回の内容をまとめると
・手積み手おろしは過酷だが給料は割高
・熱中症や腰痛の危険性もある
・輸送を依頼する企業にとっては
輸送費を抑えるメリットがある
・輸送費を抑えることで、低価格高品質な
商品を提供できる
改めて言いますが、手積み・手おろしはトラック運転手の仕事において過酷でキツい作業になります。今後トラック運転手への転職を考えている人は、失敗しないためにもこのことを考慮して運送会社を選択しましょう!
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