トラックってどんな種類があるの?
こんな疑問を持つ人のために、
トラックの種類をまとめました。
トラックドライバーと言っても、
どのような形態のトラックで何を運ぶのか、
知らない人、多いのではないでしょうか。
この記事でそういった疑問が解決できます!
本記事を読むとわかること
・トラックの種類
・各トラックが運ぶモノ
・業務上必要な免許
トラックは皆さんが一般道で目にする
ベーシックな車両から、
あまり見かけない
特殊車両まで数多くの種類があります。
種類が変われば、運転以外の業務も変わるので、
トラックドライバーへの転職を考えている人は
特に必見です。
この記事を書いた人
・小学校教員から転職
・トラックドライバー歴6年(現役)
・小型トラック〜大型トレーラーまで経験
まずトラックの基本的な造りを説明します。
トラックはメーカーが開発・製造を行います。
↓メーカーで製造されたての車両がこちら↓
これでは荷物は運べないのですが、
トラックメーカーが製造するのはここまでです。
ここから運ぶ荷物に合わせて
『架装メーカー』による『架装』
が施されます。
車両本体+架装部分
でようやくトラックとして完成します。
トラックの種類 箱車
トラックと聞くと、この形を思い浮かべる人が
多いのではないでしょうか。
荷台がアルミ製の箱になっており、
雨風から荷物を守ることができます。
運搬する荷物
・引っ越し荷物
・宅配物
・製品原材料 (他多数)
※箱車で運搬する荷物は、非常に多岐に渡ります。
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
この箱車はさらに
・バン
・ウィング
この2つに分類されます。
バン
開口部は車両後方のみです。
荷物の積み降ろしは、
後部の観音扉を開けて行います。
ウィング
後部観音に加えて、両側が開くことで、
荷物の積み降ろしが容易になります。
鳥が翼を広げた形に似ているため、
この名称で呼ばれています。
トラックの種類 平ボディ
荷台に屋根が無い形状のトラックです。
箱車に次いで、よく見るタイプでしょう。
平車は以下の4つに大別されます。
・平ボディ
・ユニック車(通称)
・セルフ車
・まな板(通称)
平ボディ
非常にポピュラーな形状のボディタイプ。
クレーン車や天井クレーンを使っての
積込み・荷降ろしで活躍します。
シートをかければ雨から積み荷を
守ることも可能です。
運搬する荷物
・原材料(工業用製品)
・建設現場の器材・部材
・鉄骨 (他多数)
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
ユニック車(通称)
クレーンが装備されたトラックを
通称ユニック車とよばれます。
クレーン部分を制作する古河ユニック社の
登録商標からこの名称で呼ばれます。
クレーンの荷重は2.63トン~2.93トン仕様が
主流で、現場にクレーン車を呼ばずに、
荷物の積み降ろしが可能です。
運搬する荷物
・原材料(工業用製品)
・建設現場の器材・部材
・鉄骨 (他多数)
※平ボディとしての要素に、
クレーンが追加されるイメージです。
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
・小型移動式クレーン運転に関する特別講習
・小型移動式クレーン運転講習
・移動式クレーン運転士
※クレーン資格は、吊に荷の重量によって変わる
セルフローダー
セルフローダー車は主に、
「建設重機」の輸送に利用されます。
仕様は大きく2つあります。
装備された油圧ジャッキで、
車両前部を持ち上げ車両後部を地面に接地。
備え付けのラダーを使い、重機の積み降ろしを行う
「ハイジャッキセルフ」
荷台そのものを後方にスライドさせ、
荷台後方を地面に近づける事で
荷台後方より車輌や重機を積み込む事が出来る
「スライドセルフ」
運搬する荷物
・建設重機
・原材料(工業用製品)
・建設現場の器材・部材
・鉄骨 (他多数)
※平ボディに重機輸送の能力が
追加されるイメージです。
平ボディ+ユニック+セルフローダー
の装備を兼ね備えたトラックもあります。
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
a.車両系建設機械運転技能講習
b.小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育
abのうちいずれか
※abの資格は、重機を動かす場合に必要。
まな板(通称)
通常の平ボディから、あおり部分を
取り外したタイプのトラック。
正式名称は平ボディだが、あおりが無く
見た目の様から『まな板』と呼ばれる。
運搬する荷物
・各種コンテナ
※コンテナを積載できるように、
あおり部分を取り外しています。
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
ダンプカー
ダンプカーという名称だけは
耳にしたことのある人も
多いのではないでしょうか。
ダンプは荷台を傾けて積荷を一気に下ろすための
機械装置を備えたトラックです。
ダンプは運搬物に応じて2種類あります。
砂利用ダンプ
道路の建設現場や、埋め立て地用の土などの
運搬にかかせないダンプ。
未舗装の道路を走ることも多いため、
他のトラックに比べ車高が高めです。
運搬する荷物
・砂利
・土砂
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
ダンプ【小麦・飼料用】
主に海外から船で輸入された小麦などを
サイロまで運搬するダンプです。
運搬する荷物
・小麦
・飼料
※小麦用・飼料用では衛生上違う車種を使用
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
タンクローリー
皆さんの生活にも関係するタンクローリー。
危険物のイメージが強いのですが、
それ以外の液体を運搬するタンクローリー
も数多く存在します。
液体はブレーキをかけた際に動くので、
運転には注意が必要です。
タンクローリー 【危険物】
危険物を運搬するタンクローリーで
最も馴染みがあるのは、ガソリンスタンドに
出入りするタンクローリーではないでしょうか。
ガソリンや軽油以外の危険物にも
多岐に渡る種類があります。
運搬する荷物
・ガソリンや軽油
・高圧ガス
・化学薬品
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
・危険物取扱免許
・高圧ガス移動監視者
※運搬する危険物に応じた免許・資格が必要
タンクローリー 【飲料】
市販用の容器に詰める前の飲料は、
タンクローリーで輸送されることもあります。
人の口に触れる飲料を運ぶタンクローリーは
絶対に清潔でなくてはなりません。
そのためタンクは塗装を施さず、錆に強い
ステンレス製が用いられています。
運搬する荷物
・牛乳
・飲料水
・その他飲料
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
タンクローリー 【温泉】
続いて少し珍しいタンクローリーをご紹介します。
主に温泉地から都市部や一般家庭へ
温泉を運搬するタンクローリーです。
東日本大震災時には、被災地の方々へ温泉を届ける
などの活躍をしています。
運搬する荷物
・温泉
※運搬中の温度変化は、-1℃/1h
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
特殊車両
家畜運搬車
家畜運搬車は牧場や市場、加工工場間を
家畜を載せて運搬します。
命を扱う仕事ですので、
より慎重な運転を求められます。
運搬する荷物
・牛
・馬
・豚
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
活魚運搬車
魚を生きたまま、漁港から市場や店舗まで
運搬するトラックです。
荷台部分は大きな水槽になっており、
魚の鮮度を保つことができます。
そのため安全かつ迅速な移動を求められます。
運搬する荷物
・活魚(生きた魚)
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
キャリーカー
乗用車の運搬用に架装されたトラックです。
自動車オークション会場、埠頭の輸出ヤード、
カーディーラーによく出入りしています。
積載する乗用車は基本的には
トラックドライバーが行います。
積載後はトラックのフレームがあるため、
乗用車のドアが開閉できず、
窓から出入りしなくてはなりません。
運搬する荷物
・乗用車
※4tトラック 乗用車1台~2台
10tトラック 乗用車4台~5台
トレーラー 乗用車5台~7台
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
産業廃棄物運搬車
工場や建設現場などで出る産業ゴミを
リサイクル業者や処分施設まで
運搬するトラックです。
・ダンプ
・クレーン付き
・脱着装置付きコンテナ車
などがあります。
運搬する荷物
・産業廃棄物
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
※クレーン付きは
小型移動式クレーン運転講習が必要
チップ運搬車
ここでのチップは、木質チップと呼ばれ
主にバイオマス燃料に
利用されるものを指します。
チップ運搬車は主に、
木材の破砕業者から発電所へ運搬。
積込み・荷降ろしは重機で行うことが
ほとんどです。
なかにはチップ運搬車ごと持ち上げ、
傾斜をつけることで中のチップを
流し落とす降ろし方も。
運搬する荷物
・木質チップ
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
※積み降ろしで重機を操作する場合
a.車両系建設機械運転技能講習
b.小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育
abのうちいずれか
バルク車(通称)
通称バルク車、正式名称は
粉粒体運搬車(ふんりゅうたい運搬車)
名前の通り粉状・粒状のモノを
運ぶことに特化したトラックです。
運搬する荷物
〈工業用途〉
・石灰
・炭酸カルシウム
・ポリ塩化ビニル
・ポリエチレン
〈食品用〉
・小麦粉
・砂糖
・コンスターチ
〈その他〉
・家畜用飼料
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
ミキサー車
ミキサー車はコンクリート工場で製造された
生のコンクリート(生コン)を
工事現場まで運搬するトラックで
通称「生コン車」。
この生コンを通常のトラックで運搬すると、
原材料であるセメント・砂利・水などは
比重の違いから分離してしまいます。
ミキサー車は、荷台部分のドラムを
ゆっくり回転させることで分離を防ぐことで
目的地への運搬が可能です。
運搬する荷物
・生コンクリート
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
ポンプ車
建設現場などで、ミキサー車が入れない
狭い所や、高い地点にコンクリートを送るには、
どのような手段を取るかご存じですか?
この条件の場合、まずミキサー車で
生コンクリートを現場まで運搬。
その後ポンプ車と呼ばれるトラックで、
生コンクリートを送っています。
出典:㈲第一圧送 出典:建設荷役車両安全協会
運搬する荷物
・特になし
必要免許・資格
・車両サイズに応じた運転免許
まとめ
いかがでしたか?
今回はとりわけ、10t・4tで用いられる
トラックをご紹介しました。
この中で興味のある車両が見つかれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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