トラックドライバーへの転職を模索している人や、トラックをレンタルして荷物の運搬を考えている人にとって、トラックの運転は少々不安に感じるのではないでしょうか。
また運送会社に転職したものの、入社直後に事故を起こしてしまい、運転に自信を無くしてしまう人も少なくありません。
実際にそのようなドライバーを何人も見てきました・・・
本記事では運転が不安な人・運転に自信がない人のため、
トラックを運転する際のコツを紹介・解説してますので、不安の解消と事故のリスク軽減に是非お役立てください!
本記事を読んでほしい人
・トラックの運転が不安な人
・他業種から運送業界への転職を考えている人
・トラックの運転に自信がない人
トラックの運転は、慣れると簡単で楽しいものにもなり得ます。
マイナス要素を払拭するため、最後までご覧頂けると幸いです!
この記事を書いた人
〇トラックドライバー歴6年(現役)
〇小型トラック〜大型トレーラーまで経験
〇トラック・乗用車ともに事故歴無し
本題に入る前にお伝えしたことが、運転の上手・下手はセンスでは無いということです。
「自分は運転のセンスが無いから…」と諦めている人は、一度その考えは捨てましょう!
しっかりポイントを抑え、注意深く運転することで事故や自損を防ぐことができます!
さっそく運転時のポイントについて見ていきましょう。
トラックを運転する際のコツは
運転は目を広く使う
トラックを運転する際には、目の動きを意識してください。
運転が苦手な人ほど前方のみに集中し、目を広く使えていません。
下の図のように、前方だけでなくサイドミラーとバックモニターにも目を送り、周辺の道路状況を把握することが大切です。
①基本の目線は前方です。
サイドミラーやバックモニターばかりを見ていては前を走る車両に追突しかねません。
次の3点には特に気を配りましょう。
・前車との車間距離
・対向車の挙動
・歩道の状況
②左右サイドミラーを見て、
車線からはみ出していないか確認します。
またサイドミラーに写る、
バイク・自転車・追い越しをしてくる車両にも注意してください。
③後方確認では追い越しをかけてきそうな、
車両やバイクに意識しましょう。
運転においては、
数秒後の状況を予測することが大切です。
以上①~③を繰り返し見るのですが、大まかに
①80% ②15% ③5%の割合で目線を送ります。
バイクがすり抜けてきそうな場合は、少しサイドミラーへの意識を増やすなど、道路状況に応じて割合を若干変化させましょう。
ブレーキのかけ方
4tトラック以上のサイズになると、乗用車のブレーキと構造が異なります。
具体的には油圧でブレーキをかける乗用車に対し、4tトラック以上のブレーキはエア(空気)の力です。(2t以下は油圧ブレーキがほとんど)
4tトラック以上:エアブレーキ
2tトラック以下:油圧ブレーキ
エアブレーキの主な特徴は、乗用車の感覚でブレーキを踏むと、物凄い急ブレーキになることです。
知らずにブレーキを踏み込んでしまうと、積み荷が崩れて破損に繋がりかねません。
慣れないうちは充分に注意してください。
足の裏全体をペダルに乗せ、膝の屈伸を使ってブレーキングしましょう。
またエアブレーキ・油圧ブレーキどちらにも共通して言えることですが、積載がある時とない時ではブレーキの利き具合は大きく変化します。
荷物を積んで発進する際には、一度ブレーキの感覚を確認することをお勧めします。
ルートが変わっても焦らない
トラックに限ったことではありませんが運転する際に焦りは禁物です。
焦って心に余裕がなくなると、注意力散漫になり事故の危険性が高くなります。
トラックの運転で注意したいのが、目的地までのルートがわからず焦ることです。
本来予定していたルートが『高さ制限』や『トラック進入禁止』で通行できず、迂回を強いられることはトラックでは割とあります。
※この標識がある道路では最大積載量が2t以上のトラックは通行禁止です。
無理に通行して身動きが取れなくなる可能性もあるので必ず迂回しましょう。
焦らずまずは停車できるところまで走らせてマップを確認しましょう。
停車できるまでは目的地から遠ざかるため、焦りを感じてしまいがちです。
しかし事故を起こしてしまうと、目的地への到着が遅くなるどころか人の命を奪いかねません。
焦っている時ほど事故の可能性を考え、冷静な運転を心掛てください。
出発前にはルートのシミュレーションを行いましょう。
その場合GoogleMAPのストリートビュー機能が標識の確認もできてお勧めです。
右折・左折時は特に注意
トラックが起こす事故は、追突に次いで右折・左折時の事故が目立ちます。
ここからは事故の原因と、対策(コツ)について見ていきましょう。
トラックは死角が多い
乗ってみるとすぐにわかるのですが、トラックには死角が多くあります。
イラストにある死角に入った歩行者・自転車・バイクは、トラックの運転手からは見えません。
サイドミラーやバックモニターを使えばある程度の死角はカバーできますが、全てを補うのは難しい・・・
右折・左折時に死角に入った対象を巻き込んでしまう事故には、細心の注意を払う必要があります。
・死角から歩行者や自転車が飛び出す可能性を想定する
・右折・左折時は最徐行
・右折・左折を行う交差点の手前100m付近から、歩道の様子を確認(歩行者や自転車は交差点で重なる可能性大)
・後方にバイクがいる場合、すり抜けを警戒!
右折時に起こるサンキュー事故
右折時においてはサンキュー事故にも留意しておかなくてはなりません。
サンキュー事故とは
渋滞時の交差点などで直進する自動車が、対向する右折車を先に行かせるために停止し、対向する自動車が右折したところ、直進車と同方向左側をすり抜けてきたオートバイ、または自転車などと出会頭に衝突をする事故があげられる。直進車は好意で右折車に道を譲り、右折する自動車の運転手が「ありがとう」と感謝の意を持つことからそう呼ばれる。
出典:wikipedexia
文章だけではイメージし難いと思いますので画像も用意しました。
右折待ちをしているところ、対向車がパッシングなどで譲ってくれる場面、何度か経験したことありませんか?
対向車にお礼を伝え右折したところに、死角から飛び出してきたバイクや自転車と事故になるパターンです。
譲ってくれた対向車に気を遣い、「早く曲がらなければ」と焦る気持ちもあるかとは思います。
しかし事故を起こしてしまえば元も子もありません。
どのような状況でも確認を忘れずに車を走らせましょう。
トラックのオーバーハング
オーバーハングという単語、知らない人も多いのではないでしょうか。
車輪の接地中心点から外側にはみ出した車体の部分のこと
トラックは乗用車と比べてオーバーハングがかなり長いです。
オーバーハングが長いとどうのような危険性があるのか、こちらの動画をご覧ください。
動画は大型トラックですが、4tトラックや2tトラックも同様の注意が必要です。
動画のトラックは、初動で一気にハンドルを左に切っているため、右にオーバーハングが飛び出す”ケツ振り“を起こしています。
車体右側に余裕があれば問題ないのですが、動画では右車線の乗用車と間隔がほとんどありません。
下記のハンドル捌きが理想的です。
1.少しハンドルを左に切る(半回転程度)
2.ハンドルを真っすぐに戻し前進
(トラック後部と右車線の乗用車に間隔ができます)
3.バックモニターでトラック後部と乗用車が離れたのを確認出来たら、一気にハンドルを左に回す
トラックは乗用車と比べて、ハンドルを切るタイミングを遅らせるイメージを持ちましょう。
また時には無理をせず、思い切って左折を諦め別ルートを模索することも必要です。
時間は大幅にロスしますが、事故を起こすよりも圧倒的にマシだと思いませんか?
「諦める」という判断も、トラックを運転するコツの1つであることを覚えておいてください。
最後に
今回ご紹介したコツを意識することで、トラックの運転において、事故の可能性を下げることができます。
しかし事故を一番起こしやすいタイミングは、「慣れてきた時」です。
私の会社に未経験で入社したドライバーは、入社直後よりも入社後半年~1年が経った頃によく事故を起こしています。
自分はもう大丈夫と感じた時こそ、気を引き締めなおしてください!
事故は関わった人すべてを不幸にします。
このことを踏まえて、安全運転を常に心がけましょう。
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