日本の物流を支える主なものに幹線輸送というものがあります。
幹線輸送は通称『路線』とも呼ばれ、運送業界内では日常的に会話で使用します。
しかし一般的な用語ではないため聞きなれない人のほうが多いのではないでしょうか。
そこで今回は幹線輸送がどういったものなのか、現役のトラックドライバーが解説します。
幹線輸送は日本の物流における重要な物流システムなので、運送業界やトラックドライバーに興味がある人は、必ず知っておくべきものです。
ぜひ最後までご覧ください。
幹線輸送とは
主要拠点に大量の商品を集約して大型トラックで一挙に運ぶ物流システムのこと
これだけではピンと来ないと思いますので、もっと噛み砕いて説明すると
たくさんの依頼者から預かった大量の荷物を1箇所に集め、まとめて運ぶことです。
この幹線輸送は、私たちの生活に大きく関係しています。
荷物を送る際に依頼する宅配便や、通販サイトで購入した商品が手元に届く場合、この幹線輸送が多く利用されているのです。
幹線輸送の大まかな流れ
幹線輸送で荷物を発送した場合、どのような経路を辿って目的地に届くのか具体例を見てみましょう。
送り主地域
①コンビニor集荷で発送
②周辺地域の荷物とともに最寄りの営業所へ
③営業所から主要拠点(センター)へ
受け取り主地域
④(送り側の拠点から)受け取り側の主要拠点へ
⑤主要拠点から営業所へ
⑥営業所から受け取り主に配達
この幹線輸送ではBtoBやBtoC、CtoCまで幅広く対応できることが最大の特徴です。
B : 企業
C : 個人
幹線輸送の代表的な運送会社は
幹線輸送を行う運送会社はテレビCMや街中を走るトラックなどから、みなさんも目にする機会が多い企業になります。
・ヤマト運輸 ・佐川急便 ・日本郵政
・西濃運輸 ・福山通運 ・久留米運送
幹線輸送は全国各地に拠点が必要ですので、大企業でなければまかなえません。
幹線輸送のメリット
幹線輸送でのメリットはなんといっても手軽に荷物を発送できることでしょう。
ほぼ毎日センター間をトラックが行き来しているので、いつ依頼しても数日後には届きます。
また小さなダンボール一個から受け付けてくれるのも魅力です。
ヤマト運輸、佐川急便、日本郵政では、契約不要で個人間による荷物のやりとりにも対応してくれます。
・手軽に発送可能
・小口でも受け付けてくれる
・個人でも取引可能(会社による)
幹線輸送のデメリット
幹線輸送のデメリットとしては、規格外のサイズや重量物に対応していないこと。
対応可能なサイズは会社によって異なりますが、基本的に3辺の合計が200cmを超えると発送は厳しいようです。
さらに大口の荷物を発送する際は少し割高になります。
幹線輸送を利用するデメリットは、法人や企業に限ったもので個人レベルではほとんど関係ありません。
・規格外のサイズは発送不可
・大口発送は割高
・個人利用はほぼデメリット無し
幹線輸送ドライバーは高収入
少し視点を変えて、幹線輸送を行うトラックドライバーの給料にも触れていきます。
主要拠点間(センター間)の荷物は大型トラックで輸送するのですが、その仕事を担うドライバーは高収入の人が多いです。
なかには近距離を運行する地場ドライバーで月収50万円のドライバーも
理由として次のことがあげられます。
・取扱う物量が多い
・深夜帯の仕事がメイン
・ドライバー不足
トラックドライバーは運んだ荷物の分だけ給料に反映されるため、常に物が往来する幹線輸送はとても稼ぎやすい環境です。
また昼間に集荷された荷物は、夕方から夜にかけて拠点(センター)へ集約されます。
拠点(センター)に集約直後トラックに積み込み作業を行いますので、深夜勤務になりがちです。
深夜手当が加算されることで給料は高くなります。
極めつけはトラックドライバー不足が、トラックドライバーの給料を引き上げる要因です。
近年は通販サイトが増えて幹線輸送の需要は増えているにもかかわらず、ドライバー不足によって単価が上がってしまっています。
この先、数年は幹線輸送のトラックドライバーが稼げる状況が続くことでしょう。