車社会の日本で『運転マナー』という言葉はごく一般的です。
みなさんは『運転マナー』気にしてますか??
なんとなく知っているけど、
具体的なところまではよくわからない…
と言う人も多いのではないでしょうか?
『運転マナー』は定義が難しく、価値観や個人差があるのも事実です。
さらには地域によって異なるローカルルールなども存在し、マナーを身につけようにも何を気をつければ良いのかわからない…
そこで今回は運転のプロであるトラック運転手が意識している『運転手マナー』についてお話ししていきます。
・運転マナーの解説
・トラック運転手が意識している運転マナー
・運転マナーを守るメリット
運転マナーとは
『運転マナー』を知るうえで、まず『マナー』を理解しなくてはなりません。
マナーとは
人と人との関わりでとるべき行儀や作法。
広義的な意味では「思いやり」
マナーの意味からわかるように『運転マナー』は、周りの車に対する「作法」や「思いやり」であることがわかります。
マナーとルールの違い
『マナー』と混合されがちな『ルール』ですが、この二つは大きく異なります。
具体的なところでは
交通ルール | 交通マナー |
スピード違反・駐車禁止・信号無視など罰則や罰金が科せられるもの | 無理な割り込みをしない・譲り合い・お礼など罰則や罰金は無いが、周りの人の気持ちを考えた行動 |
「罰則がない」=「守る必要がない」は間違いです。
日常生活でも
罰則がないから周りのことは考えない!
こんな人いませんよね?
自動車を運転できる年齢は立派な大人です。
大人としてしっかり『運転マナー』も守っていきましょう!
トラック運転手が意識している運転マナー
私は普通自動車免許を取得して約10年、ほぼ毎日乗用車を運転していました。
それなりに『運転マナー』についても熟知しているつもりだったのですが…
免許取得後10年が過ぎた頃にトラック運転手としてデビューすると、そこには私の知らない『運転マナー』が多く存在していたのです。
そのような経緯から今回、トラック運転手が意識している『運転マナー』をご紹介します。
もし知らない『運転マナー』があれば、ぜひ実践してみてください。
トラック運転手が意識している運転マナー
・譲ってもらったらお礼
・前の車が譲ってもらってもお礼
・合流地点での気遣い
・高速で渋滞にハマったらハザード
・とにかく譲る!
譲ってもらったらお礼
これは一般的で基本的な『運転マナー』でしょう。
・道を譲ってくれた相手にお礼
・車線変更時は後続に対してお礼。
といった具合に、自動車を運転するなかで感謝の意を伝えるタイミングは数多くあります。
現状よく目にする感謝の意思表示は主に4つ
①手を挙げる・お辞儀
②ハザード(通称:サンキューハザード)
③パッシング
④短いクラクション
この中では「①手を挙げる・お辞儀」で感謝の気持ちを伝えることが1番おススメです。
後方の車へ感謝の気持ちを伝えるには「②ハザード」を2〜3回点滅させると良いでしょう。
感謝の気持ちを伝えることで譲った側も
譲って良かった
とみんなが気持ちよく運転することができます。
③パッシングは、地域によって違った捉え方をされトラブルの原因にもなりかねないのでおススメしません。
④短いクラクションは道路交通法違反になる可能性が高く控えた方が賢明です。
※②サンキューハザードに関しても賛否ありますが、これは別の記事で解説しています。
前の車が譲ってもらってもお礼
続いて私がトラック運転手になって、「これは良い!」と感じたシチュエーションをご紹介します。
タイトルでは伝わりにくいと思うので次の図をご覧ください。
この場合「B」が「A」にお礼をするまでは一般的ですよね。
ここからがポイント
トラック運転手(自車)はすれ違いざま「A」に手を挙げてお礼を伝えます。
「自車」は「B」が譲ってもらったことで前に進むことができます。そのため「A」に対して感謝する。
つまり「ありがとうの連鎖」が起こります。
とても素敵なことなのに、一般に広まっていません。
この記事を読まれた方によって少しづつ広まれば幸いです。
合流地点での気遣い
高速道路やバイパスなどを走行すると多くの合流地点に出くわしますよね。
個人的には、この合流地点で『ドライバーの運転マナーレベル』が顕著に表れると考えています。
合流地点におけるマナーのポイントは2つ
・ファスナー合流(渋滞時)
・追い越し車線へ回避(閑散時)
ファスナー合流
わりと一般的に見られるファスナー合流ですが、地域によっては言葉すら知られていないケースも珍しくありません。
ファスナー合流とは
下図のように加速車線が減少する先頭(いちばん奥)から1台ずつ交互に合流すること
別名:ジッパー法
⇓
ファスナー合流を行うことで本線の渋滞緩和につながります。
自分だけ我先にと自己中心的にファスナー合流を無視すると、後続の流れが悪化。
より酷い渋滞へと陥ってしまうのです。
みんなが周りのことを考えてファスナー合流を徹底し、よりよい道路環境を目指しましょう。
合流後は後続車へのお礼もお忘れなく!
追い越し車線へ回避
みなさんに質問です。
上図のように2車線の左側(走行車線)を走行中、合流する車両がいた場合どのように対処しますか?
①減速
②加速
③その他
ほとんどの方が①か②を選択するのではないでしょうか。
決して間違いではないのですが、トラック運転手の多くは③になります。
具体的な動きとしては、右車線(追い越し車線)に車線変更。
そうすることで左車線が空き、合流し易くなります。
合流する車両は、サイドミラーで本線の車両を確認するため、距離感が掴みづらい。
本線に走行車両がいなければ、ストレスフリーで合流が可能。
高速で渋滞にハマったらハザード
高速道路を利用していると、渋滞にハマることは多々あります。
都市圏などは特に渋滞が起こりがちです。
もし高速道路走行中に渋滞の最後尾になった際はハザードを点滅させましょう!
このハザードは後続車に渋滞を知らせる役割を持ちます。
高速道路では似たような景色が続くため、前方の車両が動いているのか止まっているのかが見えづらく、渋滞の最後尾に追突してしまう事故が少なくありません。
万が一時速100km/hで追突されると、怪我はおろか命を落としてしまう危険もあります。
自分の身を守るためにも、渋滞の最後尾ではハザードをお忘れなく!
ハザードを消すタイミングは?
後続の車両が渋滞を察知してハザードをつけるまでもしくは、後続車両が減速したのを確認できるまではハザードを点滅させましょう。
とにかく譲る!
『運転マナー』の原点は譲り合いと言っても過言ではありません。
冒頭でも記したように『マナー=思いやり』です。
トラック運転手の多くはできるだけ道を譲ります。
プロのドライバーとして『思いやり』を持ち余裕のある運転を心がけているからです。
その行為が結果的に道路状況や流れも良くします。
みんなで『思いやり』を持って運転すればより良い道路環境へと繋がっていくことでしょう。
まとめ
最後にトラック運転手が意識している運転マナーまとめ
・譲ってもらったらお礼
・前の車が譲ってもらってもお礼
・合流地点での気遣い
・高速で渋滞にハマったらハザード
・とにかく譲る!
最近では、トラック運転手があおり運転で逮捕されるニュースも目にしますが、これはごく一部のドライバーによるものです。
ほとんどのドライバーはプロ意識を持って、事故を起こさぬよう『運転マナー』を守っています。
さらにトラック運転手は毎日ハンドルを握るなかで、自分や周りが気持ちよく運転できる方法を自然と身に付けていきます。
その所作はトラックのみならず、乗用車の運転でも大いに役立ちますので本記事の内容を今後の運転に活用して頂けると幸いです。
※『運転マナー』を強要するものではありません。
ご自身の技量や価値観によって判断ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
にほんブログ村本記事を書いた人
・運転歴15年以上
・トラック運転手歴8年
・大型トレーラーまで経験